Agentforce Vibesでフローを作るためのMCPサーバー設定手順【2026年版】

Salesforce の MCP サーバーとは、Agentforce Vibes などのAIエージェントが Salesforce 組織の機能を使うための接続口です。Salesforce がホストしており、組織の[設定]から1つずつ有効化して使います。

Agentforce Vibes にフローを作らせるには、このうち metadata-experts というサーバーを先に有効化しておく必要があります。Salesforce が公開しているフロー生成のスキル定義では、フローの生成はこのサーバーのツールを通す手順だけが定められているためです。

わたしたちは自社の Sandbox で MCP サーバーを3つ有効化し、Agentforce Vibes に実際にフローを作らせました。この記事は、そのときの画面操作と、どのサーバーをなぜ選んだか、できたフローの記録です。組織側の作業は1分ほどで終わります。

この記事でわかること

  • Agentforce Vibes がフローを作るときに組織側で何が動き、実際にどんなフローができたか
  • [設定]の「MCP サーバー」で metadata-experts など3つを有効化する手順
  • 13個ある標準サーバーのうち、3つだけを選んだ理由(ツール数の上限)
  • Flex Credits の請求、SObject All の削除権限など、有効化の前に確認したいこと
検証の範囲:組織側の有効化(手順1〜4)は、Sandbox での画面録画で確認した内容です。Agentforce Vibes 側の設定(手順5)は、Salesforce の公式ドキュメントに沿って記載しています。生成したフローは、組織で中身まで確認しました。

目次

用語ミニ辞典

用語意味
Agentforce VibesSalesforce 公式のAI開発環境。組織のメタデータを読んだうえで、コードや設定を作る
フローSalesforce の業務自動化の仕組み。「レコードが作成されたらメールを送る」などをノーコードで組む
MCPModel Context Protocol の略。AIエージェントが外部のツールを使うための共通の接続規格
Salesforce ホスト MCP サーバーSalesforce が用意している MCP サーバー。組織の[設定]で有効化すると、エージェントから使える
スキルAgentforce Vibes に組み込まれた作業手順書。依頼の内容に応じて自動で選ばれる
Flex CreditsSalesforce の AI 機能の従量課金に使うクレジット

全体像:フローの生成は metadata-experts を通る

Agentforce Vibes に「〇〇するフローを作って」と頼むと、フロー生成用のスキル(automation-flow-generate)が選ばれます。このスキルが使うのは、組織側の MCP サーバー metadata-experts のツール execute_metadata_action です。このツールを3回呼び出して、フローのメタデータを組み立てます。

Agentforce Vibes がフローを作る仕組み。開発者の依頼をスキル automation-flow-generate が受け、Salesforce 組織の MCP サーバー metadata-experts のツールを3回呼んで、組織の項目情報の取得、フロー要素の選択、フロー要素の生成を行い、フローの XML を返す。salesforce-api-context は組織の定義を渡す。組織との間の接続口は Salesforce 管理者の有効化で開き、開発者は Toolkit でサーバーをオンにする

Salesforce が公開しているスキル定義には、フローの生成はこの3段階の手順に限ると明記されています。手書きの XML や別の方法で作ることは想定されていません。つまり、metadata-experts が組織で有効になっていなければ、Agentforce Vibes はフローを作れません。

設定する場所は2か所です。組織の[設定]で管理者が有効化し、そのあと開発者が Agentforce Vibes 側でオンにします。

設定の流れ。Salesforce 管理者が[設定]で MCP サーバーを開き、3つを有効化し、稼働中を確認する。そのあと開発者が Agentforce Vibes の Toolkit でトグルをオンにし、Connected とツール数の表示を確認する。組織で有効化していないサーバーは Vibes の一覧に表示されない

有効化するサーバーの選び方

わたしたちの Sandbox では、標準の MCP サーバーが13個並んでいました。有効化したのはこのうち3つです。

13個すべてを有効化した場合と3つに絞った場合の対比。ツールの合計は143と18(1+6+11)で、同時に使える上限は約20。すべてでは上限を大きく超え、3つなら上限内に収まる

サーバーツール数役割選んだ理由
metadata-experts1フローなどのメタデータを生成するフロー生成に必須
salesforce-api-context6組織のオブジェクト定義や API の説明をエージェントに渡す組織の項目を正しく参照したフローにするため
SObject All11レコードの作成・参照・更新・削除実際のレコードを参照させ、推測ではなく実データに基づいて生成させるため。テストデータの投入・確認・削除も画面を開かずに済む

3つに絞った理由は、同時に使えるツールの数に上限があるためです。Agentforce Vibes の公式ドキュメントでは、同時に動かせるツールは約20個とされています。今回の3つで合計18ツールです。13個すべてを有効化すると、使わないツールが上限を圧迫します。

⚠️ SObject All は削除まで含む
SObject All は、レコードの削除もできるサーバーです。わたしたちは Sandbox で実データを参照させるために有効化しました。本番組織で使う場合は、参照だけの「SObject Reads」や、削除を含まない「SObject Mutations」で足りないかを先に検討してください(→FAQ3)。

手順:MCP サーバーを有効化する

手順1:[設定]で「MCP サーバー」を開く

  1. [設定]のクイック検索に「MCP」と入力する
  2. インテグレーション → API カタログ → MCP サーバー を開く
  3. 「Salesforce サーバー」タブに標準のサーバーが並び、接続状態がすべて「非稼働」になっていることを確認する

[設定]の MCP サーバー画面。左のメニューで「MCP サーバー」を選び、Salesforce サーバータブに13個の標準サーバーが非稼働で並んでいる。metadata-experts の行を赤枠で示している

  • 画面上部に「Salesforce MCP サーバーの使用に対して請求される場合があります」と表示されます(→FAQ2)

手順2:metadata-experts を有効化する

  1. 一覧で metadata-experts をクリックする
  2. 詳細画面の右上にある「有効化」をクリックする

metadata-experts の詳細画面。種別は標準、ツールは1、プロンプトは0。右上の「有効化」ボタンを赤枠で示している

  1. 「MCP サーバー metadata-experts が有効化されました。」と表示されることを確認する

有効化の直後。「MCP サーバー metadata-experts が有効化されました。」というメッセージが表示され、右上のボタンが「無効化」に変わっている

  • ボタンが「無効化」に変わります。無効化すると、そのサーバーを使っているインテグレーションが失敗する、と注意書きが出ます

手順3:salesforce-api-context と SObject All を有効化する

  1. 一覧に戻り、salesforce-api-context を開いて「有効化」をクリックする
  2. 同じように SObject All を開いて「有効化」をクリックする

  3. 各サーバーの詳細画面には「サーバー URL」が表示されます。Agentforce Vibes 以外の MCP クライアントからつなぐときに使う URL です

手順4:一覧で「稼働中」になったことを確認する

  1. MCP サーバーの一覧に戻る
  2. 3つのサーバーの接続状態が 「稼働中」 になっていることを確認する

MCP サーバー一覧。SObject All、metadata-experts、salesforce-api-context の3行の接続状態が「稼働中」になっている

手順5:Agentforce Vibes 側でサーバーをオンにする

ここからは開発者側の作業です。Salesforce の公式ドキュメントの手順を記載します。

  1. Agentforce Vibes のパネルを開き、Toolkit タブをクリックする
  2. MCP Servers をクリックする
  3. 「Salesforce Platform」のグループから Metadata Experts を選び、トグルをオンにする
  4. 状態が Connected になり、ツール数が表示されることを確認する

  5. 組織側で有効化していないサーバーは、Agentforce Vibes の一覧に表示されません

実際に作らせたフロー

有効化のあと、Agentforce Vibes にフローを依頼しました。生成されたフローを組織で開き、中身を確認した結果は次のとおりです。

観点生成されたフロー
種類スケジュールトリガーフロー(毎日決まった時刻に起動)
対象有効フラグと日付項目を持つ、組織のレコード
条件日付項目が今日より前で、かつ有効フラグが true
処理有効フラグを false に更新し、期限を過ぎたレコードを自動で無効化する

期限を過ぎたレコードを毎日無効化する、という定型の自動化です。手作業なら、担当者が一覧を見て1件ずつ外していく作業にあたります。

生成の際は、SObject All で組織の実際のレコードを参照させました。どの項目にどんな値が入っているかを推測ではなく実データで確かめながら作らせたことで、条件の組み立てがずれにくくなります。テストデータの投入、結果の確認、後片づけの削除も、画面を開かずに Agentforce Vibes の中で完結しました。

つまずき&FAQ

Q1. Agentforce Vibes の MCP Servers に Metadata Experts が表示されない

組織の[設定]で metadata-experts が有効化されていません。管理者に手順1〜2を依頼してください。公式ドキュメントでも、管理者が組織で有効化するまで Agentforce Vibes には表示されない、と説明されています。また Metadata Experts を使えるのは、MCPService 権限が有効な組織です。組織の種類は本番、Developer、Sandbox、スクラッチ組織で、エディションは Developer と Enterprise に限られます。

Q2. 「Salesforce MCP サーバーの使用に対して請求される場合があります」と表示される

MCP サーバー画面の上部に、Flex Credits についての注意書きが表示されます。利用量に応じて Flex Credits が消費される場合があるという意味です。どの操作がどれだけ消費するかは契約によって異なるため、本番で使う前に Salesforce の担当者か契約内容で確認してください。Agentforce Vibes 自体の料金は、Agentforce Vibesを使ってみたにまとめています。

Q3. SObject All を有効化して大丈夫ですか

SObject All はレコードの作成・参照・更新・削除のすべてができます。わたしたちは Sandbox で、実際のレコードを参照させて生成の精度を上げるため、またテストデータの投入から削除までを画面を開かずに済ませるために有効化しました。本番組織では、エージェントにデータを削除させる必要があるかを先に考えてください。参照だけなら「SObject Reads」、作成と更新だけなら「SObject Mutations」という選択肢があります。また、Agentforce Vibes の自動承認をオフにしておけば、ツールの実行前に内容を確認できます。

Q4. 13個すべて有効化してはいけませんか

公式ドキュメントでは、同時に動かせるツールは約20個とされています。たとえば Agentforce Grid だけでツールが52個あります。使わないサーバーは非稼働のままにしてください。今回の3つで合計18ツールです。

Q5. Metadata Experts はベータ版ですか

2026年10月時点の公式ドキュメントでは、Metadata Experts MCP Server はベータと記載されています。機能が変わる可能性があるため、生成されたメタデータは本番にデプロイする前に確認するよう求められています。

Q6. 一度有効化したサーバーを無効化すると、どうなりますか

詳細画面の「無効化」ボタンには、「このサーバーを無効化すると、サーバーが再有効化されるまで有効なインテグレーションが失敗します」と注意書きが出ます。Agentforce Vibes 以外のツールからも同じサーバーを使っている場合は、影響範囲を確認してから無効化してください。

まとめ

  • Agentforce Vibes のフロー生成は、組織側の MCP サーバー metadata-experts を通ります。有効化していないとフローは作れません。有効化後、毎日動くスケジュールトリガーフローを実際に生成できました
  • 組織の[設定]→ MCP サーバーで、metadata-experts、salesforce-api-context、SObject All の3つを有効化しました。作業は1分ほどです
  • 同時に使えるツールは約20個までです。13個すべては有効化せず、必要なものに絞ります(今回は合計18ツール)
  • 画面には Flex Credits の請求についての注意書きが出ます。本番で使う前に契約内容を確認します
  • SObject All は削除まで含みます。本番では SObject Reads などで足りないかを先に検討します

フローを作らせる前に、組織側の入り口を開けておく。準備はそれだけですが、ここを知らないと Agentforce Vibes がフローを作れない理由に気づけません。

Salesforce の開発と AI 活用のご相談を承っています

FROM CENTER は、Salesforce の設定・開発と、AI を使った開発の進め方を支援しています。次のようなお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

  • Agentforce Vibes を試したいが、組織側の設定や権限の考え方がわからない
  • フローの作成や保守に時間がかかっている
  • AI に Salesforce を触らせるときの安全な進め方を決めたい

お問い合わせはこちら

Agentforce Vibes の初期設定はAgentforce Vibes セットアップ手順【日本語版】、実案件で使った所感はAgentforce Vibesを使ってみたにまとめています。

参考リンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です